2021/12/7 リバティプリント
柄と柄の組み合わせ
マ・レルラ デザイナーの
阿部真理です。
こちらにおたずねいただき
ありがとうございます。
「この柄とこの柄が合うのがどうしてわかるのですか?」
というご質問をよくいただきます。
私にとって、その事を言葉にすることが難しかったのですが、先日出版していただいた本「リバティプリント新しいクチュール」では、編集者の方が、本当にエレガントに「あなたなら書ける」とおだててくださり、一応メモ的な箇条書きにはなりました。
でも本当のことをいうと、私には「ドミソという和音はなぜ合うのですか?」という質問と同義語なのです。
和音は心地よく、不協和音が心地よく聞こえないのと全く同じ感じで見ているというのか、感じていると表現するのか、とにかくそんな感じなのです。
その組み合わせを前にすると響くか響かないか、では説明にならないですよね?(笑)
ただ、和音は、たぶんほとんどの方に心地よく響くのと違う点は、柄と柄の組み合わせ以外のディテールやバランス、好み、趣味?etc.等の要素が加わるので一概にいえない、というところでしょうか。
実をいうと、自分でもわからず、このこととの関係性がすこし気になっていることがあります。
それは、色、音、文字や数字を一緒に感じてしまっていると言うことです。大方の人にとってはそうではない、と気づいたのは、二十年近く前のこと。
言葉にするとすごく変なのですが、スタッフと電話で、木曜日までにと頼んでいるつもりで「次の茶色までに」と言っていて受話器の向こうで「茶色ってなに??」というところから木曜日=茶色(それまで言葉で人に言ったことはなく、つい何気なく口にしていたのですが)という概念は普通ではないと気づき、そこから調べていく色、文字や数字と色を一緒に体験している”共感覚”という脳のある種の障害だということがわかりました。
とにかくそのせいでなのか、そうでないのかはわかりませんが、柄の組み合わせが和音が気持ちよく響くのと同じように考えることなく体験していることは確かで、それを気に入ってくださる方々がいてくださるのはなんとうれしいことでしょうか。
感謝でいっぱいです。