2021/7/25 思うこと

長崎

マ・レルラ デザイナーの
阿部真理です。

こちらにお訪ねいただき
ありがとうございます。

先日たまたま料理番組で見かけた「寒ざらし」は、長崎は島原のスイーツ。
ずいぶん前に現地でごちそうになったことを思い出しました。

長崎には、とても深いご縁をいただき、一昨年までは年に三回、通った場所でした。

二十五年前と記憶しているのですが、あなたに合うと思うから、と紹介していただき、うかがってみると衝撃的なほど素敵なギャラリーに、美しくかっこいい女性オーナーがいらしてお会いするなり運命的な出会いを感じました。
それから春、夏、秋冬と個展をしてくださることになりました。

ギャラリー以外にもカフェやレストラン等も経営され、裏千家と池坊の名取でもいらして、海外にその文化をひろめる活動にも積極的でいらっしゃいました。
毎年、英語のスキルを磨くため、大好きなイギリスにホームステイされ、それに合わせ色々な国を周り、一人で大冒険されることもしばしば。

ファッションに対してもひとつの確固たる世界をお持ちでいらして、たくさんの事を教えていただきました。

当初、ニットブランドとして個展をしていただいていましたが、思いがけない大量のリバティプリントとの再会があり、13年前の春夏、そのシーズンのみ、ニットにリバティプリントのコレクションを加えたものを展開してみることになったのでした。

ふたを開けてみると、驚くほどたくさんの方々がリバティプリントの魅力を存分に楽しんでくださり、ずっとリバティプリントをコレクションに入れたら、と進言してくださったのです。

毎シーズン、テーマ性があり、本物である世界一美しいテキスタイルに守られて、励まされてのながい旅は、ここから続くことになりました。

70歳を過ぎても、ミニスカートが似合うオーナーのギャラリーは、お客様も皆さんとびきり素敵な方ばかりでした。
エピソードを挙げ始めたら、きりがないほど。

大切に育てていただいたご恩をお返し出来ていないし、一緒にヨーロッパを旅しようね、なんて約束も果たせないまま、そんなオーナーは昨年、天に旅立たれ、新型感染症もあり、長崎にはそれ以降ご無沙汰しています。

今も、姉のように親戚のようにとても近しい存在で、ビジネス感覚も素晴らしかった人生の先輩に守っていただいているなと感じることがよくあります。

そんな事を思いながら、ハンドメイドクラスのおやつに自己流「寒ざらし」作ってみました。